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映画『PERFECT DAYS』感想・レビュー

ビターズ・エンド配給映画 おすすめ人気ランキング 40作品 | Filmarks映画ビターズ・エンド)

POPEYEみたいな映画ポスターと「『パターソン』みたいな映画らしい」に惹かれて鑑賞。

映画らしい映画を見れて、映像体験としての満足度が高かった

【基本情報】

2023年公開

・2時間4

・映画館で視聴

・個人的評価⭐️ 3.8/5.0

・あらすじ

主人公平山は、東京・渋谷でトイレ清掃員をしている。そんな彼の日常を描いた作品。

【ネタバレあり感想】

ストーリーとして批判したくなる箇所あるところも含めて、視聴者の想像力を掻き立たすのがとても上手な作品で、余韻が残る映画でした。鑑賞後は、めちゃくちゃ色んな思いにふけた。

✅ストーリーとして批判したくなる箇所

1点は、トイレの清掃員を美化してしまっているのではないか、、?という気持ちがずっとよぎっていた。実際の彼ら彼女らの日々はこんなに余裕があって美しい生活を送れているのか?とつい考えたくなった。渋谷にある奇抜なトイレが撮りたくて、トイレ清掃員の設定にしたのかな?と。素直にこの設定を受け入れて絶賛していい作品なのかとフツフツと疑問が湧きました。

 

もう1点は、不必要なシーンがあったかな。「おじさん✖️若い女性のロマンスに発展してくれるなよ〜〜」と思いながら見てて、この映画ではギリギリ回避して安心した。

ただトイレ清掃員の同僚の彼女が平山さんにほっぺチューしたり、姪っ子の着替えにバッティングしてしまったり、このシーンいらなくない??となる。見ている視聴者をドキッとさせたい演出なのか分からないが、不自然と感じた。

✅視聴者の想像力を掻き立たす所

1点は、日常の中の非日常を描くのがとっても綺麗で良かった!!視聴者は自然と平山さんのルーティンを覚えるのですが、そこがとても自然。朝起きて、これを持って行って、水やりして、ここで缶コーヒー買って、音楽流して車を運転して、仕事してなど。(映画内の音楽流れるシーンはストーリー内で音楽を聴いている時だけなのもお洒落だなと思った)

そうやってルーティンを視聴者に覚えさせることで、ちょっとした平山さんの変化による感情の違いに気づけるような仕掛けになってて良い。(あ、今日缶コーヒー買ってない!急いでるのかな?とか、あ、写真整理するのやめた!嫌になってしまったのかな、とか)

その仕掛けもいいし、そこで伝えられるメッセージ性もいい。平山さんがどう頑張っても生きていたらその完璧なルーティンも乱れてしまうわけで、それが人生なのかと思わせてくれるところが良かった。

 

もう1点は、平山さんのミステリアスさがいい!まあ喋らないから、視聴者は一生懸命「平山さんは何を考えているんだろう?どういう人生を送ってきたのだろう?」と考えざるを得ない。本たくさん読んでて教養があるし、他の仕事の選択肢もありそうだな〜と、「どんなきっかけで今のトイレ清掃員をしているだろう??」と。途中家族が出てきて、少し答え合わせが出来たけど、全貌はわからないままで。

ずっと平山さんのこと考えてたら、最後の最後でシーンで感情が爆溢れるんですよ!!

役所広司まじ名演技すぎて感動した。Feeling Goodが流れる中で号泣する平山さん、、、、

「このルーティンのある生活を満足していたように見えていたのに、実は満足していないのかな??」「この夕焼けが綺麗すぎて泣いてるのか?にしては悲しそうだよね??」「なになに〜〜?」と思ったらエンドロールに入り、私は完全に平山さんのことを理解することは出来なかった。だが、そこも含めていい映画だった。

ヴィム・ヴェンダースについて

映画見てから監督がヴィム・ヴェンダース(みんな彼目的での鑑賞だと思いますが(笑))と知り、「っぽい〜〜〜!」ってなった。そういえば、彼が撮った『ベルリン・天使の詩』もハッキリとした起承転結がないけど、グワっと訴えかけるメッセージ性があった映画と記憶している。

 

江東区墨田区辺りの景色が綺麗で、あの辺もっと散歩したくなる素敵な作品でした。