海外エンタメ備忘録

Netflix大好き20代会社員👼洋画・海ドラ・恋リア・ミュージカルみてます

洋画『オッペンハイマー』感想・レビュー

クリストファーノーラン作品好き(みんな好き)だから、楽しみにしていた!

【基本情報】

2023年公開

・3時間

・映画館で視聴

・個人的評価⭐️ 4.0/5.0

・あらすじ

原爆の父・オッペンハイマーの生涯を描いた作品。

【ネタバレあり感想】

ノーラン作品楽しみにしていましたが、原爆を落とされた国で生まれ育った身としては、

どう原爆を描いてくるのだろうか、、という複雑な心境はありました。

鑑賞後の感想としては、多くの命を失わせた発明をした科学者の一生を描くことに忠実で、現代にもう一度戦争・原爆の怖さについて再び議論ができる良い作品だなと思いました。

 

3時間の長尺にも関わらず、全然中弛みがなかったし、

複数の時間軸を行き来して飽きないような設計にもなっていたし、全然見れましたね。

でも映画館推奨。家だったら絶対寝てまう。

 

大量虐殺することは人類が取ってはならない行動であることはもう大前提で、この映画でも肯定的に描いていません。ただもう1歩踏み込んで、落とす判断をしたのは政府・大統領ではあり、その落とす兵器を作り上げてしまった科学者はどこまでの責任範囲が伴うのか。

アメリカ視点では自分たちが作らなければ、他の国が先に作って先手を打たれてしまう、戦争を長引かせず早くケリをつけたい状況下であったのも事実で、その状況下で何が正しい決断であったかを考えさせられる内容でしたね。

 

自分の日本人としてのアイデンティティも考えさせられましたね。当事者ではないが、唯一の被爆国の人間としてどう受け止めたらいいのだろうかと。複雑な気持ちになるのは、原爆ドーム・資料館に行ったり、はだしのゲンを読んで、被爆国として学ばなきゃいけない教育をきちんと受けてきたからだなと。という気持ちもありつつ、日本が加害してきた歴史はあまり学んでないよなとも思ったり、投票はできると言えど戦争の判断は政治家の良心に任されているしな、とグルグル考えてしまいましたね。

 

赤狩り」という言葉は授業で聞いたことありましたが、こんなシビアに取り締まられるんだと学び。そして、アイシュタインもっと昔の人だと思ってたから出てきてびっくり。この時代の人なのね!(無知)

キャストも豪華、出る人出る人みんな知ってる〜〜個人的にはエミリーブラント超良かった。

またしてもゲイリーオールドマンが出てるとは気づかなかった(笑)いつも全然違う!

 

これを見て同じ日本人としての感想も聞きたいし、色んな国の人の感想も聞いてみたいですね

洋画『落下の解剖学』感想・レビュー

アカデミー賞にノミネートされていたのと、タイトルに惹かれて見てみました!

(アカデミー脚本賞を受賞されていましたね)

落下の解剖学 : 作品情報 - 映画.com
【基本情報】

2023年公開

・2時間31

・映画館で視聴

・個人的評価⭐️ 3.5/5.0

・あらすじ

雪山の山荘で暮らす3人家族。ある日夫が転落死し、その真相に迫る作品。

【ネタバレあり感想】

サスペンス・裁判ものなので、ついついどんでん返し期待していたのですが、

正直物足りなさを感じた作品でしたね。

鑑賞後に考察を読んで、「あ〜なるほど」と物足りなさを補完できた感じです。

 

誰の視点に立って見ればいいかが難しい作品(恐らくそこがポイント)で、

誰の立場に立ってもなんかモヤモヤしちゃうんですよね。

夫婦関係ってブラックボックスで、法廷で一部分切り取っても何が真実かは理解できないなと思いました。法廷で流される夫婦の喧嘩のシーンすごかった、それを聞かされる息子が可哀想だった、、、

 

考察をいくつか読み、彼の死はジェンダーロールに縛られた劣等感があると書かれていて、

それを訴えた作品なんだと後から理解しました。夫婦関係についての作品かと思ったけど、男女の話だったみたいですね。「家庭の中で男性が女性より優秀であるべき」という発想が自分の中に無さすぎて鑑賞中は気づけなかったですね。

夫のサミュエルは、妻がベストセラー作家で自分は何にもなれなかったという劣等感に耐えられなかったんだと、、マスキュリニズムフェミニズムを意識してもう1回見てみたいな。

 

 

 

 

 

洋画『哀れなるものたち』感想・レビュー

アカデミー賞にノミネートされていたので視聴。(主演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞を受賞されましたね!)
哀れなるものたち - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画
【基本情報】

2023年公開

・2時間21

・映画館で視聴

・個人的評価⭐️ 3.6/5.0

・あらすじ

外科医が成人女性の死体に赤子の脳を移植する手術を成功させる。その女性を「ベラ」と名付け、ベラの成長を見ていく作品。

【ネタバレあり感想】

んん〜かなり面食らった映画です(笑)性行為と臓器の映像が映画の半分以上を占めているのではないか?と感じるくらい、人にオススメしづらい作品ですね(笑)

 

良いところは作品の世界観に独創性があって、新しいものを見た!!という新鮮さはありましたが、ただ伝え方がかなり極端でそういうストーリーラインにする必要があるんだっけ?という箇所がいくつもありましたね。言わんとしようとしているフェミニズム的メッセージは感じつつも、不適切さも感じて複雑ですね。

エマストーンの演技は超すごかったです。

 

この映画を見て、女性に知識や学がないと、性的に搾取される構造になっていることはありありと突きつけられましたね。父親代わりの外科医もその助手も弁護士も出会う男みんなに性的対象として見られ、支配下に置こうとされてましたね。

そういう男から逃れるには、学をつけることでしか避けられない。だから、学を得るまでの幼少期はそういう男のターゲットになってしまうし、良い女性のロールモデル(本をくれた女性)に出会わないと搾取される一方の人生になってしまう哀しさ、、、

 

ベラをあえて「マニックピクシードリームガール※」にしたたているのかな?と思ったのですが、風俗で働くシーンはかなり「???」という感じでした。性に奔放だったとしても、女性には妊娠・性病のリスクがあるわけでそこに触れず、男性の心と体のケアを心の底から楽しくやっていると見せるのはどうかな〜と思いました。

悩める男性の前に現れ、そのエキセントリックさで彼を翻弄しながらも、人生を楽しむことを教える“夢の女の子 Wikipediaより

 

映画の最後も、ベラがそちら側に回るのも後味悪いな、、、だから「哀れなるものたち」というタイトルを付けているのかと無理やり自分のなかで納得させようとしました(笑)

 

 

 

洋画『12人の怒れる男』感想・レビュー

白黒時代の映画のテンポ感あまり得意ではない(眠くなってしまう)けど、この映画最後まで見入ってしまいました!

【基本情報】

・1954年公開

・1時間36

Amazon Primeでレンタル

・個人的評価⭐️ 4.1/5.0

・あらすじ

父親を殺害したとされる18歳の少年の裁判。陪審員である12人の男が判決を下す。

【ネタバレなし感想】

好きなタイプのサスペンス映画でした!かなり面白い!!!!!

会話劇が好きな方にオススメしたいです。

 

同じ部屋で男12人がただ話しているのだけなのに、

それぞれのキャラクター像・背景が見えてくるし、展開もどんどん変わっていって、

かなり満足感ありましたね。何となく結末は読めるのですが、読めた結末にどう辿り着くんだろう?と考えるのが楽しかったです。

白黒だけど、密室での熱量(本当に暑そう)が伝わってくるのが不思議でした。

 

全員の発言に意味があって、脚本に脱帽👏👏

乱暴な主張をする人がいる中で、どうコミュニケーションを取ればこちらの主張が通るかや、乱暴の中でも超えてはいけないラインを超えた瞬間みんなそれに対して無視という形で抗議をしたり、コミュニケーションの取り方も学べた気がする。

 

陪審員の多様性も大事だなと改めて感じますね。

この時代ではまだ男性しか陪審員をできなかったですが、その中でもみんな違うバックグラウンドによる視点があるからこそ、真実まで辿り着けるんですよね。

これシリーズ化して、色んなバージョンで見てみたいです。三谷幸喜さんもこちらをオマージュした作品を作っているようですね。

 

 

 

 

 

 

 

映画『PERFECT DAYS』感想・レビュー

ビターズ・エンド配給映画 おすすめ人気ランキング 40作品 | Filmarks映画ビターズ・エンド)

POPEYEみたいな映画ポスターと「『パターソン』みたいな映画らしい」に惹かれて鑑賞。

映画らしい映画を見れて、映像体験としての満足度が高かった

【基本情報】

2023年公開

・2時間4

・映画館で視聴

・個人的評価⭐️ 3.8/5.0

・あらすじ

主人公平山は、東京・渋谷でトイレ清掃員をしている。そんな彼の日常を描いた作品。

【ネタバレあり感想】

ストーリーとして批判したくなる箇所あるところも含めて、視聴者の想像力を掻き立たすのがとても上手な作品で、余韻が残る映画でした。鑑賞後は、めちゃくちゃ色んな思いにふけた。

✅ストーリーとして批判したくなる箇所

1点は、トイレの清掃員を美化してしまっているのではないか、、?という気持ちがずっとよぎっていた。実際の彼ら彼女らの日々はこんなに余裕があって美しい生活を送れているのか?とつい考えたくなった。渋谷にある奇抜なトイレが撮りたくて、トイレ清掃員の設定にしたのかな?と。素直にこの設定を受け入れて絶賛していい作品なのかとフツフツと疑問が湧きました。

 

もう1点は、不必要なシーンがあったかな。「おじさん✖️若い女性のロマンスに発展してくれるなよ〜〜」と思いながら見てて、この映画ではギリギリ回避して安心した。

ただトイレ清掃員の同僚の彼女が平山さんにほっぺチューしたり、姪っ子の着替えにバッティングしてしまったり、このシーンいらなくない??となる。見ている視聴者をドキッとさせたい演出なのか分からないが、不自然と感じた。

✅視聴者の想像力を掻き立たす所

1点は、日常の中の非日常を描くのがとっても綺麗で良かった!!視聴者は自然と平山さんのルーティンを覚えるのですが、そこがとても自然。朝起きて、これを持って行って、水やりして、ここで缶コーヒー買って、音楽流して車を運転して、仕事してなど。(映画内の音楽流れるシーンはストーリー内で音楽を聴いている時だけなのもお洒落だなと思った)

そうやってルーティンを視聴者に覚えさせることで、ちょっとした平山さんの変化による感情の違いに気づけるような仕掛けになってて良い。(あ、今日缶コーヒー買ってない!急いでるのかな?とか、あ、写真整理するのやめた!嫌になってしまったのかな、とか)

その仕掛けもいいし、そこで伝えられるメッセージ性もいい。平山さんがどう頑張っても生きていたらその完璧なルーティンも乱れてしまうわけで、それが人生なのかと思わせてくれるところが良かった。

 

もう1点は、平山さんのミステリアスさがいい!まあ喋らないから、視聴者は一生懸命「平山さんは何を考えているんだろう?どういう人生を送ってきたのだろう?」と考えざるを得ない。本たくさん読んでて教養があるし、他の仕事の選択肢もありそうだな〜と、「どんなきっかけで今のトイレ清掃員をしているだろう??」と。途中家族が出てきて、少し答え合わせが出来たけど、全貌はわからないままで。

ずっと平山さんのこと考えてたら、最後の最後でシーンで感情が爆溢れるんですよ!!

役所広司まじ名演技すぎて感動した。Feeling Goodが流れる中で号泣する平山さん、、、、

「このルーティンのある生活を満足していたように見えていたのに、実は満足していないのかな??」「この夕焼けが綺麗すぎて泣いてるのか?にしては悲しそうだよね??」「なになに〜〜?」と思ったらエンドロールに入り、私は完全に平山さんのことを理解することは出来なかった。だが、そこも含めていい映画だった。

ヴィム・ヴェンダースについて

映画見てから監督がヴィム・ヴェンダース(みんな彼目的での鑑賞だと思いますが(笑))と知り、「っぽい〜〜〜!」ってなった。そういえば、彼が撮った『ベルリン・天使の詩』もハッキリとした起承転結がないけど、グワっと訴えかけるメッセージ性があった映画と記憶している。

 

江東区墨田区辺りの景色が綺麗で、あの辺もっと散歩したくなる素敵な作品でした。

 

洋画『私がケーキを焼く理由』感想・レビュー

Amazon.co.jp: 私がケーキを焼く理由を観る | Prime VideoAmazon Prime

実話に基づいた作品と書いてあったので、気になって見てみた!

【基本情報】

2023年公開

・2時間

Amazon Primeで視聴

・個人的評価⭐️ 3.5/5.0

・あらすじ

主人公のジェーンは特技のケーキ作りを活かし、友人のコリンとバーでの出会い作りにケーキを配る。そんな中、コリンの病気が見つかり、、?

【ネタバレなし感想】

「実話に基づいている」というフックで最後まで見れたという感じですかね。

二人の友情も良かったんですけど、2時間の間テンポを掴めず、見づらかったかな〜というのが正直な感想ですね。

 

2時間の映画でなく、1シーズンのドラマスタイルの方が面白かったかもなあと。

色んな種類のケーキが出てきて、それは見ていて楽しかったですけどね🧁

 

ガッツリ見るというより、ながら見には良い作品かもです!

 

 

 

洋画『非常に残念なオトコ(原題:Shortcomings)』感想・レビュー

Shortcomings | Sony Pictures Classics(Sony Pictures Classic

白人好きの日系アメリカ人が主人公という面白いトピックスの映画でした。

現実世界によくいるけど、あまり映像作品で見なかったのでクスッと笑える良い映画でした。

【基本情報】

2023年公開

1時間32

・飛行機で視聴、U-Nextで見れるそうです

・個人的評価⭐️ 3.6/5.0

・あらすじ

主人公の日系アメリカ人のベンはアジア系アメリカ人の彼女ミコと付き合っているが、どうしても白人女性を目で追ったりしてしまう。ミコが遠く離れたニューヨークで仕事することが決まり、、、?

【ネタバレなし感想】

タイトル通りベン凄くかっこいいのに、性格が「非常に残念」なんです(笑)

映画が進むにつれ、どんどんかっこよく見えなくなり、情けない男〜〜と終わる面白エンドです。

 

どういう人が好きかタイプがあるのは良いですが、それがフェティシズムになっていないか?と一度考えるべきですよね。「誰でも良いから、○○人と付き合いたい」という浅はかな思考をコテンパンにやっつけてくれる作品で良かったです。

自分の中での劣等感であったり、その劣等感により何かを異常に美化してしまったり、歪んでしまった部分をハイライトしてくれる作品でした。これはベン自身が100%悪いのではなく、日系人としてアメリカに住んでいるからこそ、出来上がってしまった劣等感なのかな〜とは思いました。

 

Crazy Rich Asianを見て、他のアジア人みたいにアジア人が活躍していることに同じテンションで喜べないシーンがリアルすぎて、監督の実体験なのかな〜?と思った(笑)最後、Crazy Rich Asian綺麗に伏線回収されていて好きだった。

 

あと『スイートライフ』、『欲望は止まらない』のデビー・ライアンが途中登場してて嬉しかった!!